よーすけカサブランカス

ミークス・カットオフのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
3.6
何となく、彼らが欧州から海を渡った者たちであることは分かるのだが、具体的などこを目指しているのか分からないようになっている。だが荒野を進むにつれ食料は底をつき始め、いつしか目的は水に変わる。
問題はその旅における重大な局面に選択をするのは誰かということで、それはこの物語のなかでは常に男たちである。
初めは会話がかなり遠くから聞こえるように撮られている。離れたところにいる主人公や妻たちの聞こえ方である。
道に詳しく、武勇伝を多く語る男への疑念は膨らみ、彼女はついに銃口を向けることでようやく対等な立場を得る。
そのきっかけとなるのが捕獲した先住民の処遇をめぐってなのだが、初めはあっただろう先入観や偏見を男たちのみっともなさが上回っていく。
あのまま水源までたどり着くまで描くのは簡単だが、そうしないのは誰かの選択に正解と不正解を与えないためか。