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ミークス・カットオフのyaaaのレビュー・感想・評価

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)
4.0
1845年。ミークなるイカサマ要素大の旅先案内人に先導され西を目指して旅する三家族。
のシンプル過ぎる映画ながら、結構色々考えさせる余白があって楽しい。画面はただただ牛に牽かせた荷車と家族の歩く、食う、相談するのミニマルな表現が続く。旅する道具も必要最低限なものだけでドキュメンタリーかと思うぐらいひたすら動作が写されるのみ。馬車なんかで移動せず、女の人達はフードの大きい帽子をかぶってスカート姿で歩き続けるドキュメンタリーかと思うようなリアル志向。そんな中、西部劇おなじみのインディアンが登場するが闘いなんかは起きず、招かざる客での不協和音が巻き起こる。エンタメの西部劇の流れをわざと外しまくる。けど延々歩き続けるのは続く。
だが、ポール・ダノ、ゾーイ・カザンの癖ある映画の住人が配されてるので退屈にはならない。
銃撃戦はないのだが、火縄銃みたいに火薬積めての発砲シーンやミシェル・ウィリアムズさんの薄い三すくみシーンあったりアクセントにはなってる。
シンプルに水を求めてのサバイバル映画として充分に観れるのに、迷えるアメリカや暴力では問題解決できない、西部劇であっても賢い主人公は女性…画面にうつらない自己主張が滲んでるのがなんとも多弁的。

エンタメ西部劇としてはラストは「?」で最低かもしれないが、ミシェル・ウィリアムズさんとインディアンとの切り返しショットは「映画」として大正解というか観てる側がニヤッとするぐらい格好良すぎる。
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