1984年、アイスランド沖で発生した漁船沈没事故をベースにした映画。
監督は「ハード・ラッシュ」「2ガンズ」のバルタザール・コルマウクル。
漁船が波にさらわれてあっという間に乗組員が全滅。
どんよりと曇った空に悲鳴がかき消される、容赦ない自然の脅威が大袈裟ではなくただ静かに描かれる。
その後は、一人だけ生き残ったちょっと小太りな青年が奇跡の生還を果たした英雄と持て囃されて、本当に俺だけが生き残って良かったのだろうかと葛藤する姿がほとんど。
かもめに話しかけながら人生を思い返し、静寂の海でただ一人6時間もの孤独に耐え続ける苦痛は計り知れない。
地獄の様な漂流に耐え抜いた後でも、どうやって助かったのかと身体を隅々まで調べられたり、同様の環境で実験させられたり休まる暇がない。
映画全体の雰囲気が暗いので、とても「助かってよかったね」と喜ぶ気にはなれなかった。
脂肪の量が人の何倍もあって「アザラシ」と呼ばれていた彼。
エンドロールで本人が登場する時本当にアザラシに似ていてちょっと笑ってしまった。
