OASIS

正欲のOASISのネタバレレビュー・内容・結末

正欲(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

公開当時、ガッキーの正常位が見れると話題になっていたが、実際に見てみるとそのシーンはただのおふざけのようなニュアンスが強くエロい濡れ場というのとは程遠かった。
ただ、映画の内容は過去のある事件の影響で「水フェチ」となってしまった男女を中心とした性的マイノリティーの生き辛さを描いたもので、そんなお互いの生き辛い部分を支え合いながら生活しようとする二人の関係性は繊細で、その部分に美しさを感じはした。

前述の通り、ガッキーと相手役の磯村北斗とのベッドシーンは、長年独身でセックスの経験も無いガッキーが「セックスっていうものをやってみたくて...」と相手にお願いする形で始まり、相手も経験が浅いので「確かもっと足を開いてたような...」とたどたどしく教え合いながら疑似セックスをするというもの。
服も着たままなので全くエロくはないし、ガッキーの濡れ場を期待した人には肩透かしも肩透かし。
寧ろ、二人が公園の水道で遊びながらびしょ濡れになってはしゃぐ姿の方がエロく感じた。

群像劇ではあるものの後半になるまでその繋がりは薄くて、見終わってからも、男性恐怖症の女子大生とかYoutuberに憧れる不登校児童とか、収束していく事態に対してのアプローチが随分遠回りだなと感じたし、小児性愛者なんかポッと出てきたりして今まで見てきた純粋だと思ってたものが急に裏切られた感覚だった。
テーマは特殊だったが、正欲とは何か?異性を愛することがそうなのか?また特殊性癖自体が異常な欲求なのか?という人間の欲求に対しての現代的な問いを、純粋無垢な水という存在と最も憎むべき小児性愛者という存在を重ね合わせて問いかけてくる不思議な感覚の映画だった。
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