りく

ラッシュ/プライドと友情のりくのレビュー・感想・評価

ラッシュ/プライドと友情(2013年製作の映画)
4.0
F1は3年ほど夢中で見てた。アイルトン・セナの全盛期で、日本はF1の大ブームが到来してた。

セナがウィリアムスに移籍した1994年のF1初戦を見てから観戦を止めた。そのわずか2戦後にセナは事故死した。

F1に関してはそれほど詳しくない。それでもニキ・ラウダという名前は知っていた。小学校で何かの教科書にラウダの事が載ってたのだ。

だから、ラウダの運命を変えた大事故についても知ってた。セナがF1王者として君臨するよりも20年ほど前、1976年にその事故は発生している。

ラウダの事は知ってたが、ジェームス・ハントという人の事はほとんど知らなかった。この作品はラウダとハント、2人のレーシングドライバーに関する物語。

F1の2つ下のカテゴリーとなるF3時代から競い合ってきた2人。「切磋琢磨」というよりは、互いを嫌い、認めず、罵倒し、それでも意識をしてしまう。

いろいろと対照的な2人が同時期にF1という最高峰のカテゴリーに進み、世界各国で命を削りながら競い合う。

その関係性がどう変化していくか。想定内の青春描写とかではなく、相容れない個性が衝突し合いながらも少しずつ変わっていく様子が分かりやすく描写されてる。

ラウダの大事故に関しても描写がある。あれほど悲惨な状況だったとは知らなかった。

F1を好きな人は是非見ておくべきだし、カーレースに興味ない人でも「同じ物を目指す2人」の成長物語として見応えあると思う。

人生観をぶつけるシーン、ラウダもハントも、言ってることは全然間違ってない。各々の人生なのだから、相手に強いることもなければ理解してもらおうという意志もない。

それでも「あいつだけには負けない」と自らの全てを賭けられる存在が互いにいたのは、とても恵まれていたのだろう、そう思わせてもらえた。
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