竜平

オンリー・ゴッドの竜平のレビュー・感想・評価

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)
2.7
タイ、バンコクにてボクシングトレーナーをしつつ裏社会にも通じてる男。その兄が起こしてしまう事件が発端となって渦巻いていく「復讐」の連鎖、その行く末とは、という話。

監督ニコラス・ウィンディング・レフン、主演ライアン・ゴズリングの『ドライヴ』のタッグということで気になって鑑賞。色使いや画力の際立つ映像、バイオレンスにちょっぴりエロスの絡む描写の数々、そして厳かな雰囲気や間をたっぷり使う演出など、とにかく独特で異質。とまぁこれは『ドライヴ』の頃からあったものがより強くなって、また次回作『ネオン・デーモン』に向けて更に深化し芸術方面へ突っ走っていくことになるこの監督の「節」と捉えることとして。いやはや、にしても玄人向け。いろいろ想像を張り巡らせないといけない内容なのは確か。物語の中で見え隠れするのが親子や兄弟の確執、なんだけどこれもダイレクトには描かずな印象だし、メインの「復讐」の形というのも徐々に違うものへと姿を変えていくし、というかこれも自分の想像で言ってるけども原題が『Only God Forgives(神のみ許す)』だったりしてなんか信仰やら外国の宗教観やらに関わる作品なのかなーなんて。鬼のように強いタイの警察おじさんのインパクトよ、顔も恐い。

そんなこんなで鮮烈な暴力描写が至る所に出てきつつビジュアル面はいろいろおもしろいことになってるものの、さすがにストーリーが単調すぎるかなという感じ。もう一捻りも二捻りも欲しかった。抽象的な描写が多く誰か物知りに解説してもらわないとわからない部分というのも多々。小難しいことを考えないとするならば、すげーシュール。上映時間は90分足らずなんだけどもうちょい長かったら確実に寝てた。静かだし。真のゴズリング好きにだけ薦める。
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