ただのすず

オンリー・ゴッドのただのすずのレビュー・感想・評価

オンリー・ゴッド(2013年製作の映画)
4.1

すごく面白い。
中毒性がある。
ヒーリング映画かよ。
映画館で見たほうがもっと面白い映画だと思った。

はじめは黒を基調とした薄暗い室内を練り歩く映像や、
龍の細工、赤や黄や青の照明が毒々しく不快に感じるのに、
いつのまにか母親の胎内にいるような安心感を得る。
もうずっとここから出たくないような気持ち。

主人公の内面世界と
タイ・バンコクのチカチカしたネオン街、屋台、ムエタイジム
ぼんやりとした現実世界がずーっとだらーんと映される。
その相性がとても良くて異国感が好み。

お話はシンプルでありふれたもの。
母と息子の近親相姦。
話の通じない母親から解放されるには
あんな何もかもを終わらせる神のような力が必要なのか。
でなければ救われないのかと思ったら少し鬱。

ただラストは本当にすっきり不浄なものから切り離された気分。
誰だって両手を差し出したくなる。

最後のお歌も可愛いかった。




無駄な拷問シーンは多かったけど、
近親相姦的な表現は会話のみだったのでセーフ。
生気のない子犬のようなライアン・ゴズリングが見れる。
他の作品も観たい。