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ノン子36歳 (家事手伝い)のmのレビュー・感想・評価

ノン子36歳 (家事手伝い)(2008年製作の映画)
3.7
美人であることしか取り柄のないダメな女。
酔っ払っては、自転車で走りながらゴミを蹴飛ばし、行き場のない怒りを当たり散らす日常。

どこにでも居そうだけど、素性の知れない一見好青年な男と、見るからにヤバそうな元旦那。
夏祭り、神社、セックス。
「ちょっとタバコ買って来る。」

1年後、ヒヨコは鶏になった。
ノン子は、何になったのだろう。

20年前から時が止まったままのノン子の部屋で、マサルとセックスする時に鏡に映った2人は、まるで高校生が親のいない家で隠れて初めてセックスするかのよう。
かたや、向かいのパチンコ屋のネオンがうるさい萎びた旅館で元旦那の口車に乗せられ、強引さに負けてセックスしてしまう姿は惰性的な今の生活を写しているよう。
大人だけれど、大人になり切れない、子供のような純粋さと幼稚さを残したノン子は、巫女姿も案外似合うし(笑)どこか憎めない。

熊切監督の「空の穴」の寺島進の女性版のような本作の主人公ノン子は、愛おしく、私は好きだ。
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