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バーバレラの一人旅のレビュー・感想・評価

バーバレラ(1967年製作の映画)
3.0
ロジェ・ヴァディム監督作。

フランスのコミック作家:ジャン=クロード・フォレによる1962年発表の同名SFコミックを『危険な関係』(59)のロジェ・ヴァディムが映画化したカルトSFで、主演はヴァディム監督の3番目の妻だった米国人女優:ジェーン・フォンダが務めています。

宇宙戦士のヒロイン:バーバレラが、地下都市を支配する女帝やクーデターを企む博士を相手に闘いを繰り広げていく姿を活写したSFアドベンチャーで、全編セットによる撮影がキッチュ&カラフルな独自世界を作り出しています。

無重力での脱衣シーンや快楽拷問マシンによる性的拷問シーンといった“性”が絡んだシーンを生々しくではなく、あっけらかんとしたポップなノリで描写しています。男性に頼み事をする代償として、セックスの機会を提供してあげる―という、バーバレラのなかなか攻めたキャラクターもユニークな魅力を放っていますし、主演のジェーン・フォンダはSF的コスチュームから全裸サービスカットまで大胆披露しています。

物語は99%荒唐無稽ですが、漫画チックな撮影セットと衣装、多彩なガジェット、ミニチュアによる安上がり撮影、ポップな音楽…と本作の特長であるごちゃ混ぜ&手作り感満載のチープな世界観が、本映画を一部マニアの間で今なお燦然と輝くカルトSFの地位まで押し上げています。

蛇足)
イギリスのロックバンド:デュラン・デュランは、本作に登場する悪役:デュラン・デュラン博士に因んでいます。
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