このレビューはネタバレを含みます
原発開発、自然保護、夫婦の愛に血塗れの復讐バイオレンスと、あらゆる要素がてんこ盛りの名作。
夫を何者かによって殺されたにもかかわらず夫殺しの濡れ衣を着せられ、助けを求めれば売春島に連れていかれ......と、日本の、特に地方に未だ残る男尊女卑をこれでもかと描かれているが、いざ女をヤるとなると男は皆丸腰で、あっさり返り討ちに遭って惨殺されるのが実に痛快。あの長ったらしい濡れ場にもちゃんと意味合いがある。
クライマックスの大殺戮は驚愕。あれくらいやってくれる映画はなかなかない。最初はやり過ぎだろ〜って笑えたが、段々凄味が増すにつれて女の怨念の凄まじさに泣けてくる。大自然を味方につけ、嵐を巻き起こして総てを滅ぼしてしまう凄まじさよ。
そして何より、海に還るラスト。こういう神話的な映画って日本にはあまりないから、非常に新鮮に感じた。これからも語り継ぐべき一作。