いののん

静かなる叫びのいののんのレビュー・感想・評価

静かなる叫び(2009年製作の映画)
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乱射できるような銃を構えたら、人は自身を全能の神のように感じるのだろうか。全能感を抱えたまま(なのかどうかはようわからへんけど)、神である自分が、人の命を奪い、自身の命を奪うんだろうか。


乱射した男は、フェミニストを憎んでいたけど、自分が撃った相手がフェミニストかどうかなんてわからない。女は結局フェミニストという枠のなかにカテゴライズされる。その話に、就職試験なのかインターンの面接なのか、とにかくその面接の際での、女性蔑視の話が重なっていく。


乱射した男の視線が、救おうと努力した男の人の視線が、生き残った女の子の視線が、私に向かってくる。私に問いかけてくるように感じる。あ~、重い問いかけだ。ツライ。下を向きたくなる。


モノクロームの映像は、雪の白さを際立たせ、静けさを際立たせ、そして、これは鎮魂の祈りを込めた色合いなのだと感じさせる。


あのめっちゃキレイな女の人が苦しみながらも選択したようなやり方が、負の連鎖を止める方法なのかもしれない、などと私は思う。


銃を発砲した時の音の響きがいちいちすごくて、そのたび眠気が吹き飛び、ソファから飛び跳ねてしまいました。



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初めて観たドゥニ監督作品は、『灼熱の魂』で 衝撃的すぎて忘れられない作品となり、仕事帰りに観た『複製された男』はずっとウトウトしてしまってよくわからず。それから『メッセージ』『ブレードランナー2049』と続き、今作が私にとっては5作目の鑑賞です。
では、寝ます。お休みなさい。
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