青二歳

珍説忠臣蔵の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

珍説忠臣蔵(1953年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ハァ〜よいよい♪'53年製作の忠臣蔵傑作コメディ!!12月14日は吉良邸討入りの日!名コメディアン揃い踏み!新東宝の吹っ切れに感服。大好き斎藤寅次郎監督。エンタツアチャコ..古川ロッパ..伴淳..大正・昭和初期から活躍のベテラン勢を見ると..なんとも近代日本の"笑い"のレベルの豊かさに驚かされますねぇ。

松の廊下の再現舞台に浪人姿の男が乱入。ハテ?と思ったらなんと不破数右衛門。観客まで吉良役(伴淳の一人二役)にブーイングで舞台は大荒れ、江戸町民に漂う吉良への不信感。
この江戸に広がる不穏な空気を受け、本物の吉良(伴淳)も心配になり、"吉良になる人"(役名がそのまんま過ぎる)を影武者に採用し、さらに部下を祇園へ飛ばし大石内蔵助(古川ロッパ)の動向を探らせる…さてどうなる。

祇園のいちりきはネオンサインまぶしく、茶屋の中はさながらキャバレーかダンスホールか。フィギュアに"ユニフォーム"着せてプレゼンする天野屋阿茶兵衛(花菱アチャコ)の上方言葉がたまらん。

河童の踊りを披露する横山エンタツは吉良の間者。「誰だ!」「カンジャです」「どこが悪いん?」「頭が少し」ベタなのにこのテンポの良さに笑っちゃう。
愚痴りだすスパイ「月給ふた月もろてませんねん。ストおこそうかと」カタカナ出すのに遠慮なし。「人権蹂躙です!家宅侵入罪です!」このナンセンス。そして植木バサミ!

十次郎の妻の月丘千秋美しい。さらに息子十太郎役の子役がよく出来た子…。そしてチラッと赤穂浪士に伊藤雄之助が!見逃す点が一個もない。いやぁ素晴らしい。斎藤寅次郎のナンセンスコメディ。もうちょっとぶっ飛んでても嬉しいですが、完成度高い。DVDお安いのでぜひ。何遍見ても楽しい。
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