珍説忠臣蔵の作品情報・感想・評価

「珍説忠臣蔵」に投稿された感想・評価

shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

初っぱなの忠臣蔵のお芝居で不破数右衛門が妨害するくだりは場内大ウケであった。本当に「もしも浅野内匠頭が吉良を切り殺していたら!」を観てみたい。

不勉強でどの方がこの方でというのがいまいち判然としなかったが、この人が古川ロッパか、エンタツ・アチャコか、へぇ~とアホ面で観ていた。

エンタツ・アチャコ両人とも映画ではほとんど単独出演で大して面白くないかな、と思っていたりすると、スッと二人の漫才掛け合いに入る場面があったりするのだが、空気感が明らかに変わる。言葉の応酬というよりは剣でガチガチやり合っているような凄みを感じた。そう、カッコ良かったんである。「患者です」の言葉遣いも洒落てらぁ。

登場人物の多くの人がギャグを多数繰り出す。時代的なギャップの為かほとんど笑えなかった。笑えなかったけど自分はずっと観ていたかった。退屈だとはちっとも思わなかった。何なのでしょう。

討ち入りにて赤穂浪士達が背番号を背負っているのや、吉良が二人というのもユニークであった。

映画途中で伴淳三郎扮する吉良がギャグで「ゲンバク」とやる。ギャグにして大丈夫だったんだ、と驚いた。
特に花菱アチャコ、柳家金語楼、堺駿ニがいい。急に始まるエンタツアチャコの漫才は必見。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ハァ〜よいよい♪'53年製作の忠臣蔵傑作コメディ!!12月14日は吉良邸討入りの日!名コメディアン揃い踏み!新東宝の吹っ切れに感服。大好き斎藤寅次郎監督。エンタツアチャコ..古川ロッパ..伴淳..大正・昭和初期から活躍のベテラン勢を見ると..なんとも近代日本の"笑い"のレベルの豊かさに驚かされますねぇ。

松の廊下の再現舞台に浪人姿の男が乱入。ハテ?と思ったらなんと不破数右衛門。観客まで吉良役(伴淳の一人二役)にブーイングで舞台は大荒れ、江戸町民に漂う吉良への不信感。
この江戸に広がる不穏な空気を受け、本物の吉良(伴淳)も心配になり、"吉良になる人"(役名がそのまんま過ぎる)を影武者に採用し、さらに部下を祇園へ飛ばし大石内蔵助(古川ロッパ)の動向を探らせる…さてどうなる。

祇園のいちりきはネオンサインまぶしく、茶屋の中はさながらキャバレーかダンスホールか。フィギュアに"ユニフォーム"着せてプレゼンする天野屋阿茶兵衛(花菱アチャコ)の上方言葉がたまらん。

河童の踊りを披露する横山エンタツは吉良の間者。「誰だ!」「カンジャです」「どこが悪いん?」「頭が少し」ベタなのにこのテンポの良さに笑っちゃう。
愚痴りだすスパイ「月給ふた月もろてませんねん。ストおこそうかと」カタカナ出すのに遠慮なし。「人権蹂躙です!家宅侵入罪です!」このナンセンス。そして植木バサミ!

十次郎の妻の月丘千秋美しい。さらに息子十太郎役の子役がよく出来た子…。そしてチラッと赤穂浪士に伊藤雄之助が!見逃す点が一個もない。いやぁ素晴らしい。斎藤寅次郎のナンセンスコメディ。もうちょっとぶっ飛んでても嬉しいですが、完成度高い。DVDお安いのでぜひ。何遍見ても楽しい。
松の廊下の刃傷事件から討ち入りまでの忠臣蔵の流れをベースにしながら、喜劇的なアレンジを施してある娯楽映画。台詞に現代語が入り混じるスタイルだが、「日本の様式美」を基調にしているので、純粋な日本映画として鑑賞することができる。

役者のひとりひとりが、自分の持ち味を発揮させながら、自己アピールをしているところがポイント。この時代の役者たちは、歌舞伎などの伝統芸能が芝居の基礎になっているので、立ち居振る舞いが映像に映える。

今の感性で観ると、声を出して笑えるシーンはあまりないが、本作品が高度経済成長期に突入する直前の日本映画であること、今は亡き大物役者が総出演していること、現在の時代劇コントの原点だということを考慮すると、感慨深いものがある。

ちなみに、新人時代の三原葉子がノンクレジットで出演しているという噂があるが、残念ながら確認できず・・・・

「突いている米は玄米。突いてない米は玄麦(ゲンバク)だ!」なんていう台詞にはドキっとさせられた。