Taka

スノーピアサーのTakaのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
4.4
『スノーピアサー』

ほぼ全ての人口が滅びた氷河期の世界をひた走る最後の人類を乗せた希望の方舟。
だが、その列車内は、極端なカースト制度で統治されていた⋯

という、設定がユニークなディストピア物。
原作はコミックだし、氷河期が訪れた理由もバカ丸出しだし、種々の設定もリアリティを言い出したらキリが無いが、そこは監督の力量でねじ伏せる方式。

ポン・ジュノは、脚本での参加だけだと凡庸な作品に終わる事も多いが、脚本・監督を兼ねると俄然パワフルに光り輝く。
撮影監督は居るんだろうが、そこはカメラマンへのビジョンの伝達が巧いのかな?
前半では暗さと静けさの中にユーモアを感じさせる映像が、佳境に入るにつれユーモアが薄れていき、ダイナミクスさが強調されていく演出とカメラワークにいつも感心させられる。

今作もそういう語り口を楽しむ作品だと思うのだが、合わない人には全く合わないだろうなという作品かも。

ただ、まぁ、鮨を握る職人がBlackさんなのは「日本下げ」なのかな? という気がしないでもないが。
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