あおい

スノーピアサーのあおいのレビュー・感想・評価

スノーピアサー(2013年製作の映画)
3.0
先頭に行け。人類の先頭に立つために…

一躍有名になったポン・ジュノ監督のSFアクション。ソン・ガンホやクリス・エヴァンスなどが大活躍。

漠然と雪山のイメージでしたが、またもやテーマは格差。今作では格差をハリウッドでよくある形で描いた非現実的なストーリー。対して、「パラサイト」は舞台を韓国に移しての、現実的な格差を描いたストーリー。

ポン・ジュノは格差を描くのが好きですね。そういう意味では、「パラサイト」彼にとっては本当に作りたかった映画なのかなと感じた。
住んでいる人さえも亡命を図る人が多く、自分の国に誇りがない国・韓国。

北方には爆弾を抱えながら、裏では切っては切れぬ関係であろう事実。圧倒的自殺件数の多さや、超学歴社会。そんな中で、人より少しでも上に立とうとし、下とみなせば、容赦ない差別を繰り返す。弱者は徹底的に潰すという集団心理。ハリボテの発展と、歯止めが効かず、世界で最も進んでいる高齢化。

虚偽と虚栄で塗り固められた国で、ポン・ジュノは映画という媒体でそれを訴えようとしているのか。もうすでにその国に毒されているのか、裏切っているのか。本当に闇の深い国です。

映画としては設定も面白く、スピード感もあって、ラストのなんとも言えない余韻も相まって悪くはなかったです( ^ω^ )
車内のキャラクターが個性的で、歯抜けババァやサイコパス女教師など、変な敵が笑けました。

◎ストーリー
人類の横暴により、世界は雪に覆われる。
そんな地球で暮らすため、世界を一年かけて周回する列車の中で、人類は生きながらえていた。
しかし、車内では徹底的な階級社会が敷かれ、最後尾に住む人は奴隷同然の扱い。
そんな最後尾で、腰眈々と反乱の機会を伺う男・カーティスがいた。彼は有志を募って、先頭車両にいる統治者を討つため、立ち上がる…
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