ふじこ

ギャングバスターズのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

ギャングバスターズ(2012年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ビリー・ボブ・ソーントンと、[ デスパレートな妻たち ]のエヴァ・ロンゴリアが出演上位に記載されているけれども、実質脇役。
長男ブリック・ウーディ:クレイン・クロフォード
次男リンカーン・ウーディ:ダニエル・クドモア
三男マックイーン・ウーディ:トラヴィス・フィメル
の3人が依頼を受けてめちゃくちゃやるのがメイン。

冒頭から[ ボーダーランズ ]みたいなコミカルな演出と、依頼を受けて押し入った筈の家が住所違いだった辺りで、あっこいつら悪だな…?死ぬんだな?と思って観ていたけれども、この3人がメインで更に同情までしてしまうとは。

ずっと父子家庭で虐待を受けて育った3兄弟と、父親亡き後は保安官ミラードに囲われ、彼の指示で町の悪党を始末し犯罪利率の低さを維持していたのが真相。
更に、依頼されて誘拐してきた少年ロブが車椅子に乗っていたのも、かつて名前もつけられずに幼くして亡くなった4人目の弟を思い出させるという悲しい過去。
徹底して庇護者に利用されるだけの人生だった3人を観ているのが段々悲しくなってしまう。
よき環境、よき手本となるべき大人と接する事なく育つとこうなってしまう、みたいな見本かと思った。
かつて弟だった名前のない弟とロブを重ねて命を掛けて守ると誓うだけの情があったはずで、一般的な常識や知識を持っているのは長兄のブリックだけで、多分一番優しいのだろうけれど指示に従う喋れない次兄リンカーン、元気だけれど一般社会に馴染めそうもないウーディ、みんなが悲しく思える。

最後は利用し続けたミラードに慰められ、労働条件付き仮釈放みたいな立場で素敵な車をプレゼントされるけれども、今まで利用されてたとは言え犯した殺人の経緯からこんなに早い釈放は有り得ないし、夢なのでは…?と勝手にまたしょんぼりしてしまった。いや、有り得ないよな…?
一見、痛快クライムストーリーみたいな顔して、実質搾取され続けた子供の話だよなぁってなる最初の印象とは大きく変わるお話だった。
ふじこ

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