伊達巻

ドリーマーズの伊達巻のネタバレレビュー・内容・結末

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

マイケルピット大好きなので俺得サプライズでめちゃ嬉しい。政治から離れようとするほど、政治との関わりが強くなってしまう。狂った世界で自由を育もうと自らの手で部屋をつくりだす、それは壁を作ることに似ている。しかしいくら完璧な部屋をつくったところで、その壁は完全に社会から断絶されることを意味しない(「社会から断絶してくれる」はずのスクリーンの前だって、それさえままならないこともあると散々思い知らされてきた)。「街が部屋に」入ってくる。そうして故意に導き出そうとした自由のその限界を感じさせられる一方で、ひとつひとつの瞬間には無制限な喜びが詰まっていて、若さや理性による疵はあっても、とにかく疾走している。孤独に疾走していれば、いつまでも弾は当たらないと思わされる。しかしそれでもセックスで理性は失われないし、嫉妬するし、国家に愛は通じない。無限と限界、海と陸が織り交ぜられているように感じた。そして終始孤独なマシューがめっちゃくちゃいい。大好き。主人公すぎる。
伊達巻

伊達巻