天下の超かぼちゃ王大将軍

スティーブン・キング 血の儀式の天下の超かぼちゃ王大将軍のレビュー・感想・評価

3.9
「スティーブン・キングが先か、スティーブン・キング作品が先か・・・」

今、最も人気がある洋ドラマの一つ、ウォーキング・デッドでカール君役を演じる、
チャンドラー・リッグス君主演作品。

そう。ここ最近、成長著し過ぎて、「あれ?前のカール君、こんなんだっけかな?」と、なんか不安になってくるカール君。

そう。成長のせいもあり、人気所がどんどん死んでいるのもあり、
ゾンビ女子たちの性的な期待を一身に浴びるカール君。

けど、ウォーキング・デッドの事やから、リックの跡を継いでリーダーになると思いきや、
アッサリ殺されるか、もしくは最悪の暴君になるのでは?と疑心暗鬼になるカール君。

そんなカール君が主演を演じているホラー。

時は丁度シーズン4と5の間。

まだ子供、子供した懐かしのカール君がそこにいます。

本作が届いた時、「あれ?なんでこんな作品借りたんやッけ?」って思ったんですが、
確か、「カール君やんけ」って思って借りたのを思い出しました。

で。

いざ観てみたら、記憶に残るのはカール君?

確かに、芦田プロ以上のカールプロっぷいりで、
格の違いを見せつけてはいるのですが、最後に残る名はこれです。

スティーブン・キング・・・。

■「本作、スティーブン・キング作品です」

ま、タイトルに名前があるから分かるでしょう。

あの、スティーブン・キング作品です。

中身を見ても、やはりスティーブン・キング作品です。

それしか言いようがありません。

間違いなく、スティーブン・キング作品です。

せやね。

本作のレビューをするならば、
やっぱりスティーブン・キング作品です。

この一言に尽きるし、一言しかない。

その前には、例えゾンビ女子に人気のカール君であっても、
スティーブン・キングの印象と比べたら、霞むほか無いです。

ただ、レビューとして「スティーブン・キング作品です」で終らせて納得出来るか。
出来ない。

そこで浮かぶ疑問。

■「スティーブン・キングって・・・一体何なんだ?」

ここ最近、映画を昔ほど見てないという事で、
「元映画ファン」と名乗ってる下っ端の私ではありますが、
それでも一時期ある程度の映画ファンであったことを踏まえた上で、
ひとつ、映画ファン必ず通る一つの疑問のお話。

「スティーブン・キングって何なんだ?」

駆け出しの頃、よく聞くこの名前を疑問に思った方も多いはず。
俳優でもなく、監督でもなく、製作総指揮とかでもなく、
しかし、何故か映画を観れば出てくるこの名前。

けれど、「原作スティーブン・キング」というフレーズを記憶した後は、
「あぁ、スティーブン・キングね」ってしたり顔で語り出す。

が。

映画を見続けると、見続ければ見続けるほど、結局、疑問が湧く。

「・・・やっぱ、スティーブン・キングって・・・ほんと何なんだ?」

氾濫するスティーブン・キング!

あれもスティーブン・キング、これもスティーブン・キング。

ショーシャンク!グリーンマイル!すたーんど、ばい、みぃぃぃぃ!!!

名作が連なると思えば、「アイム!ダディッツ!」
「スティーブン・キングかよw」と失笑した上で、けど許す作品の方がむしろ多い。

数が多過ぎて、ほんとスティーブン・キングが書いてるのかと疑いたくなる。

スティーブン・キングは実在せず、ハリウッドが産んだ、
「とりあえず、スティーブン・キングって事にしようぜ」ってな都市伝説的な存在ではないかと。

それくらい、尋常じゃない数の作品が氾濫している。

が。

しかし、けれど、名を冠する作品を見れば、
「あぁ、スティーブン・キング作品やなぁ」と感じる事が出来る。

そのギャップ。ジレンマ。なんなんだコイツ。

映画ファンが陥る、スティーブン・キングへの疑心暗鬼。

■「スティーブン・キングは愛を語る悪魔」

本作のレビューになってないのは分かる。

が、本作のレビューを伝える上では、
スティーブン・キングが何たるかを伝えるほかない。

逆に言えば、それで全てを語るに等しい。

スティーブン・キングとは・・・。

考えた。

多分、こいつは悪魔なんじゃないかと。

奴の語りには、一貫して愛がある。

それは、ラブロマンスとかいう表面的な愛ではなく、
相する愛であり、愛ゆえの哀であり、なんやろな・・・愛なんだよ。

根底に。一貫して。

が。

その愛は、天使が語るような、未来ある、光り輝く象徴か。

No。

では、美しくなく、醜悪な、欲に塗れた愛か。

No。

スティーブン・キングは、愛を美化はする。
美しく、宝石のように描き、尊いものとして描く。
が、未来に対する希望とは描かない。
その道の先はに、光り輝く世界が広がっている保証はしない。

スティーブン・キングの描く愛は、非常に、
過去と今へのベクトル。未来じゃない。

過去に対しての、納得。
その結果の未来に対しての自業というか、受け入れ。

後を見れば、それは美しい。
が、未来を見れば、果たして・・・という疑問。

悪魔の口から愛を語る。

それが、スティーブン・キング。

個人的にはそう思ってる。

■「で?」

そういう映画w

まぁ、スティーブン・キングにしては希望寄りかな。
けれど、必ずしも、「全て美しい訳ではない」というスティーブン・キング。

スティーブン・キングとしか言いようがない。

けど、どの作品にも通ずるのは、
読ませる面白さがある。

これは、作家性やなと。

その読ませ方には一貫性があり、
スティーブン・キングは実在するんだなと、ゆー気もする。

が。

「実在しない、人が創り出した悪魔であった」

という方が、スティーブン・キングという存在として、しっくりくる。

何の話?よくわからない。

それが、スティーブン・キング。


スティーブン・キングという存在が先にあるのか、
スティーブン・キング作品が先にあるのか・・・。

謎。

ん。酒飲んで書いてます。