爆裂BOX

ファイナル・デスティネーションの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

4.0
シリーズ5作作られることになる人気シリーズの一作目を久しぶりに再見しました。元々は「X-ファイル」の1エピソードとして企画されて、ボツになった後長編劇映画として膨らませた物だったんですね。監督のジェームズ・ウォンは本作が長編映画初監督でしたが、「X-ファイル」でエピソード監督もしています。
パリへの修学旅行の為、旅客機に乗った高校生アレックスは旅客機が爆発する夢を見てパニックになって騒いだため、他のクラスメイトや教師ら6人と共に離陸直前に機を降ろされる。しかし、離陸した機はアレックスの夢通り爆発。命拾いしたアレックス達だが、助かった者たちが次々不可解な死を遂げるというストーリーです。
何といっても若者達が次々殺されていくというスラッシャー映画の文法を用いながらも、襲ってくる対象を殺人鬼じゃなく死神、死そのものにしたアイディアが素晴らしいですね。ジェイソンやブギーマンは不死身だけど一応攻撃通じるから戦う手段あるけど、今作では実体のない相手で、具体的な攻撃が出来ないうえに日常の些細な事が死につながっていく恐怖を生み出した時点で勝利と言えますね。
後のシリーズ続編と比べると、最初の大事故とその後の死に方も地味に感じられる所ありますが、それでも最初の飛行機事故のシーンは短いながらも迫力ありますね。また、空港に降ろされた後旅客機が爆発するシーンもメインの画面の中央に捉えるんじゃなくて、空港のロビーから外の景色が見えるアングルで画面の端の方で音もなく爆発してる映し方が妙にインパクトあります。
しかしアレックスの予知で助かったのに、感謝してる感じなのクレアとトッド、ビリーだけで他は気味悪く思われるのはちょっと意外だったけど(特にルートン先生は酷すぎない?)当事者からするとそう思うものなのかな。
登場人物の死に方でピタゴラスイッチ感あったのは最初のトッドとルートン先生の死に方ですかね。特にルートン先生の死に方は前フリといい死に方といいいいピタゴラ感でした。テリーの死に方はジャンプスケア的にも良い死に方でしたし、スパナチュとかにも影響与えてますが、今見るとギャグに感じて笑ってしまいました(笑)後の作品と比べるとゴア描写はほぼないですが、唯一ビリーの死に方はグロい感じかな。アッサリだけど。
出演者の中ではヒロイン演じたアリ・ラーターの美しさが印象に残りますね。最初の方のちょっと孤高っぽい感じがあってました。ショーン・ウィリアム・スコットはこういうノー天気な役ハマりますね(笑)アレックスにやたらと突っかかるカーター演じたカー・スミスは「ブラッディ・バレンタイン」でも嫌な奴感溢れる役演じてましたが、意外とテリーの事一途に思ってるし、飛行機事故で友人達亡くした精神的ショックで荒れたり繊細さもあってそんなに嫌な奴と思わなかったけど、試写会では観客に嫌われまくったみたいですね。後のシリーズにも登場する謎の葬儀屋役トニー・トッドも短い登場シーンながら存在感タップリ。後、トッドの兄で飛行機に残って死ぬチョイ役でブレンダン・フェアも出てたんですね。
予知夢だけでなく、死の予兆を感じ取ったり、爆発の席順などから死の順番を探って回避しようとする展開もサスペンス感あってあって良いですね。FBIに疑われる展開はあんまり物語に絡んで無い気はしたけど。
ラストもホラーらしいインパクトとスッキリした感もあって初見時と同じく楽しめました。最初にとられたエンディングも悪くはないけど、その後シリーズ展開に繋がった事もあってこのエンディングで正解でしたね。
やはり一作目は原点だけあって、後のシリーズと比べると地味な所はありつつもそのアイディアには今も感心しますし再見しても楽しめる作品でした。