いきなり個人的な話なのだけど、僕は現代美術が好きでここ10年ほど色んな作品を観てきた経験を通して、確信をもって言えるのが「面白い作品にはどこか『親密さ』の要素が含まれている」ということである（放言）
もちろん親密さを含んでいることは、美術だけではなく、音楽や映画など他の様々な分野にとっても必要で、映画であればアピチャッポンやエドワード・ヤンは本当にそれをうまく組み込んでいるように思う。
ただ、僕は演劇のことがわからず、どうも演劇は言葉が主役になり過ぎている印象で苦手だし、大事なニュアンスを損なってしまっている印象がある（なので、幼なじみが舞台に出る時くらいしか観に行かない）
そして「親密さ」というタイトルのこの映画は、舞台上で繰り広げられる胡散臭い言葉の連続で正直辛いところもあった。ただ、その胡散臭い言葉の中に、ふとすごく重要に思えるセリフが込められていることがあり度々ドキッとさせられた。もし舞台という設定が無かったら、このドキッとさせられる恥ずかしくなるようなセリフをうまく扱うことは出来なかったのかもしれない。
ちなみに屋外でのシーンは、2010年代前半に感じたことのある感覚がたくさん残っていて、ラストシーンもかなりエモーショナルで、ふとあの苦しかった2011年に戻りたい気持ちにさせられた。
