1917に触発され再鑑賞。
やはり素晴しい。また力を貰った。
この映画は100分に満たない短い時間で、脚本は宇宙から如何にして地球に帰るかという極めてシンプルなもの。さらに登場する人物も二人だけという、贅肉を完全に削ぎ落とした映画である。故に地味でつまらないという人もいるだろう。
しかしこの映画は、私が映画という媒体に求めている要素を完璧に満たしている。
私が映画に求めるものは2点のみ。
①自分の生活では見ることの出来ない景色(冒険)を見せてくれること。
②自分の人生の模範(進むべき道)を指し示してくれること。
例えば、『スターウォーズ』は決して観ることの出来ない冒険映像を見せてくれるし、『グラディエーター』は男としての生きるべき姿を教えてくれる。
この映画はシンプルな中に極めて明確にこの双方を描いている。
宇宙空間という我々では見る事が出来ない空間(景色)をこれ以上にないリアルな形で見せてくれる。
また、人間がいかなる絶望的な状況におかれても諦めるべきではなく、生きる意志を持つことの大切さを説いてくれる。
キュアロン監督のエンターテイメントと本質的なメッセージの両立の素晴らしさ。またサンドラ・ブロックの名演技は必見。可能ならば映画館で観るべき映画であり、私にとってかけがえのない作品。
また、映画というものの素晴らしさを体感したい時に観たいと思う。