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パトリオット・デイのyksijokiのレビュー・感想・評価

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.7
イライラするマーク・ウォールバーグとピーターバーグ監督のタッグシリーズ。

時系列を追って短めのカットで登場人物それぞれの日常を描くシーンが後半非常に効いてくる。大体想像できるようにヒントを見せつつ、ボストンの街、人々、愛をしっかりと印象づけることで凄く良い作品になっている。

冒頭からイライラするマーク・ウォールバーグがたまらない。スムージー!!とか言いながらめっちゃ上司に楯突く姿がさすがという感じ。

目を覆いたくなるシーンも多い。時折挟まる実際のシーンや本人たちを見ていても凄く再現性を大切にしながら撮られているなという印象があった。

事件後に憔悴しきったマーク・ウォールバーグが頭を抱えるシーン。頭抱えさせたらマーク・ウォールバーグの右に出るものはないわというぐらい素晴らしい。もはやおなじみという感じもあるけどあの表情を出せるのが流石だと思う。

あとは捜査本部で現場を再現しながら犯人の足取りを空想するシーンはめちゃカッコよかった。あの流れはすごく良かっただけにその後のFBIと警察が揉めるやつはイラッとした。実話なのかもしれないけど。

緊迫感でいうとベンツ以降のシーンはハラハラした。上手く煽ってると思うし暗い車内と汗だくの表情が緊迫感を生んでいたと思う。

後半の尋問シーンとか妙に長めの突入シーンとかちょっと冗長な感じはしたけれど最後に本人たちが出てくることでやはり泣かされる。あとはマーク・ウォールバーグが語った愛と憎悪と悪魔の話がすごく印象的だったことが最後のマラソンシーンと相まってグッときた。

犯人の動機を描いていない点は気になったが実話ベースであることも加味するとバランス感覚の良い作品でとても良かった。
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