「Starlet」(スターレット)が原題。
「フロリダ・プロジェクト」「タンジェリン」を撮ったショーン・ベイカー監督の作品。
(予告編)
https://vimeo.com/159133315
評判通り、確かに邦題は最悪。
特にネタバレの副題に物申す。
彼女の職業については、物語の中盤以降に知るからこそ、効果的な要素となっているのに、監督の意図が台無しだ。
思い出したのは、「バス男」と意味不明の邦題にされて大不評だった為、のちに原題と同じ「ナポレオン・ダイナマイト」と改題された作品の事例。
映画のタイトルに関する権利関係については一切わかりませんが、本作もいつか必ず、原題と同じ「スターレット」に改題して欲しいです。
きっと監督が、幾つもの意味を込めたであろう、素敵なタイトルだから。
「スターレット」と改題して、ジャケットも本国と同じビジュアルとなったならば是非購入したいので、Blu-ray、或いは、iTunesでのソフト化を希望。
(本国でのジャケットのビジュアル)
https://www.amazon.co.jp/STARLET/dp/B00B58FVLY/ref=sr_1_7?s=dvd&ie=UTF8&qid=1549630591&sr=1-7&keywords=STARLET
タイトルにしても、ジャケットのビジュアルにしても、監督の許可が無ければ絶対に変えられない仕組みになればいいのに。
ともあれ、肝心な作品への感想としては、予告編にもあるように
「ビンゴーーー!」
大当たり、でした。
美しく、繊細でありながらも、清濁を併せ持った、ショーン・ベイカー監督の世界観と表現、そしてユーモアが、私は大好きです。
主演のふたり、ドリー・ヘミングウェイとベセドカ・ジョンソンの演技は、長編映画デビューとは信じられないような、自然で魅力的なもの。
「飲むの!?」
では声に出して笑った。
ドリー・ヘミングウェイは、モデルでもあり、文豪アーネスト・ヘミングウェイの曽孫娘でもあるそうです。
美人でスタイルが良いのはもちろん、声と話し方が素敵。
ベセドカ・ジョンソンは、85歳の時に本作に出演、その一年後に亡くなられているそうです。
ちなみに「タンジェリン」で主要キャストだった、彼と彼女と彼も出演していて、嬉しかった。
そして本作は犬映画でもありますね。
「人生はビギナーズ」のアーサーと「パターソン」のマーヴィンも最高だったけれど、本作の「○○○○○○」も可愛くてたまらなかった。
ラストシーンは何を意味するのだろうか。
ふたりはどんな気持ちでパリへと向かうのだろうか。
エンドロールが流れる間、ずっと考えていた。
余韻の深まる、秘密の共有。