マンションの最上階にあるおしゃれ空間(ロフト)を、
マンションをデザインした建築家と知人達(既婚男性5人)で共同所有し、
各々が好きな時に浮気部屋として活用しておりました。
ある日のこと、ベッドの上に女性の変死体が発見されました。
一応ここで念を押しておきますが、犯人はお塩先生ではありませんよ?
部屋の鍵を持っているのは5人だけなので、
お互い疑心暗鬼にならざるを得ません。
その一方で、浮気がばれると家庭崩壊する
というリスクを共有していることから、
そのまま警察には通報せずに、色々と画策・事後工作することになります。
画策・工作の合間に、事件に至るまでの回想がはさまり、
5人の人となりや、みな綺麗な奥さんがいることなどがわかってきます。
これらの奥さん達が、それぞれ魅力的なのにもかかわらず、
短い出番で、夫を萎えさせるオーラを十分に発しているところが、
いい演出だなと思いました。
浮気相手との完全対比によって、
浮気相手の魅力ムンムンが引き立つとともに、
妻達の陰謀論が出てくるなど、後の展開にも効いてくるように思います。
浮気現場である、ロフト、バー、ホテル、パーティー会場など、
生活臭が一切しない洒落た空間のシーンが大部分ですが、
警察の取調室まで、おしゃれ空間風になっていて、
そこまで徹底するなら、大いに許すという感じです。
オープニングクレジットから舞台となるロフトの
鋭角的なデザインがフィーチャーされるなど、
現代風建築空間へのこだわりが感じられ、
それがそのまま映像美として具現されています。
終盤には誰もが驚くサプライズ展開がありますが、
だまされた感はあるものの、あまりインパクトを感じませんでした。
建築家に感情移入できれば、感じ方も随分変わってきそうですが。
浮気もまた人それぞれというところを丁寧に描いていて、
会話の駆け引きなどが面白いので、
最後まで飽きることなく見ることができました。
安易なドタバタに走ることなく、
じっくり静かな展開としたことに好感が持てました。