takanoひねもすのたり

かしこい狗は、吠えずに笑うのtakanoひねもすのたりのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ふへへっ♪
お鍋、食べよ♪
エビ熱いんだよ!エビに集中させろよ!
そしてエビを食べつつJKの片乳を揉む教師。
そして煮える鍋の不穏なグツグツ音。
これ何て状況。

おどおどした態度ブルドッグ系ブサイク顔のスクールカーストの最下位にいる熊田。
『チワワっぽく顔が可愛いと思って調子に乗ってる』で虐めを受けてるクラスメイトの清瀬。
ちょっとしたことからふたりの間に交流ができて、あっという間に親友→もうちょい親密な間柄に。クラスの外れ者だった女子高生2人の百合成分多めな青春友情譚だよね?……ちょいちょい不穏が顔出すけど……喧嘩くらいはそりゃあったりするし?
なんて思っていたら……もう自分が「ふへへ♪」って笑いたくなった。無敵じゃん 笑

「人を動かすのは恐怖と利益!」
熊田ちゃんと清瀬ちゃんが、土砂降りの雨の中ではしゃぎつつ帰宅する途中の何てことのない序盤の会話(教師からテスト用紙のコピーを貰ったことに対する返答なので物騒ではあるけどw)だったのに、振り返るとここからヤバかった。

人間関係リセット症候群というのがありますが、清瀬ちゃんはそれをやられた側。
中学まで親友だったアヤ(現在行方不明)は高校入学した途端にマリナとつるむようになり清瀬ちゃんを切り捨てた(らしい)

そんなこんなお互いのことを話したり、一緒に帰ったり、勉強会(炬燵シーン!!!)仲良く昼食したりしながら楽しい2人の放課後……が、清瀬ちゃんが『ホワイトハウス』と呼ぶアパートの一室に熊田ちゃんを招待した瞬間に悪夢へ。

熊田ちゃん前髪ぱっつんのボブ。劇中ではブサイクと呼ばれてたけど、んなことない。
(チワワかブルドッグかいったら、ブルドッグが好き)

素朴な疑問なだけにはっとする台詞が多かったなあ。
「みかん(他人の庭からもいだ)は食べれるのに万引きしたグロスは駄目なんだ」
「ちゅんた(ペットのセキセイインコ)だったら吐いちゃうけど、鶏の唐揚げだったら「うまっ!」って言って食べるんだよね」
言外で偽善者って言われてるみたいでグサる。

これ『語り手が真実を話しているかどうか分からない』タイプの結末だった。
でもまさかこんなツイストくるとは思わないから不意打ちすぎ……。
色『赤』『青』が目配せになっているような気はしていたが、後から振り返ってそういうことなのかと腑に落ちた。

「埋めた」と証言したちゅんたが電線に止まっていた→彼女が叩き潰した(嘘?)から逆に考えてゆくと、何処からが虚構の話なのだろう?と揺らぐ。
エンドロール後の座席の位置と携帯キーホルダーがまたその揺らぎを強める。

清瀬ちゃんのあざと可愛い「ふへへへっ♪」からの病み→エビパックンにラストの狂乱振りが良い……めっちゃ良い……。

殺伐百合恋愛物でした。良き……。