ハッピーカート

リアリティのダンスのハッピーカートのネタバレレビュー・内容・結末

リアリティのダンス(2013年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

人は気違いと言われるのが一番恐ろしい。
常識がある人、いい人と言われたくて、本当の自分を抑え我慢して生きている。
時々、気違いと言われることを恐れない人がいる。それで人を魅了する作品を作れる人を芸術家と呼ぶ。

暴力、エロ、チンコ、グロテスク、身体障害者、ヒトラー、拷問。。
次のエンドレスポエトリーより、こっちの方がずっといい!

映画は予測できる事が一番つまらない。予測できた瞬間に興味がなくなる。
そして、緊張感が無くなったとき。
絶対にニヤニヤ気の抜けた出演者やいい加減な美術あってはだめ!

この映画は次の場面が予測不能で、それが想像を越えたレペルだから見続けられる。単に奇をてらう前衛作品とは違う。
緊張感もあり、
画面構成、色使い、衣裳、音楽、演技にも細心の注意が払われている。
特に色と音楽がいい!

予測不能で緊張感ある、これは全ての映画に大切な要素。
黒沢監督の時代劇名作にはこれがあるが、現代劇にはこれがないから、つまらない。
特に説教や理想が語られたら終わり。
どですかでんは、常識の枠内だった。
たけしのみんなやってるか!は、緊張感なく単なる悪ふざけ!

85才の監督の、23年ぶりの新作。
人の感性は衰えない



この映画とベルトリッチの違いは、見てる間は刺激的だが、見終わって何の記憶にも残らないところ。
それは人間の深い部分を描いてないから。
芸術家としては有能だが、人間を描けないのが、欠点!

女性が火傷した夫におしっこかけて愛情を表現する、これは予想外でなく、単なる刺激と奇をてらうAVレペルで、シラケる!
けど気違い!