あまのうずめ

キッチン・ストーリーのあまのうずめのレビュー・感想・評価

キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)
3.9
スウェーデンの家庭調査協会はより便利な製品の開発をしているが、次はノルウェーで独身男性の台所での習慣を調査することになる。調査員フォルケはイザックの担当となる。立派な馬が貰えると思い応募したイザックは、馬がダーナラホース(幸せを呼ぶ木彫りの馬)だったのもあり不機嫌だ。


▶︎台所の隅でテニスの審判の様な椅子に座り、観察対象者とは会話禁止で彼の動線をチェックするフォルケが、パイプの葉を切らしたイザックに自分のをあげるところから二人の緊張の糸が切れる、おじいさんとおじさんの交流のハートフルコメディ。

会話量は少なく、セリフの抑揚や表情で伝えて来る。イザックとフォルケの友情の芽生えと発展、それに嫉妬するイザックの友人グラント、それを収めるイザック。協会上層部の思惑と、ノルウェーとスウェーデンの過去からの因縁がさり気なく加わり、骨格はしっかりしていて輪郭はソフトな仕上がりになっている。

クリスマス前のノルウェーの片田舎の町やイザックの家、フォルケのトレーラーハウスや食べ物も流石北欧と言う面持ちで、両国ならではのストーリーにマッチし且つ楽しめる。

イザックらが乗ったスキーにカゴの付いた乗り物は新たな発見だったし、誕生日とバスタブのシーンは特に印象的で好き。ラストシーンにホッコリする。