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不気味なものの肌に触れるのatsukiのレビュー・感想・評価

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)
4.0
私が水で、あなたは魚。もしくは私が魚で、あなたは水。魚にとっての水、もしくは水にとっての魚は不気味なものでしかない。しかし、触れ合ってしまえば、魚は水で泳げることに気付き、むしろ水がなければ、魚は生きられないと知る。私とあなたもそう。つまり、お互い魚では生きられない。私が水で、あなたは魚。もしくは私が魚で、あなたは水だからこそ、あなたと私は生きていける。お互いに水なら良かったのかもしれない。しかし、結語の「to be continued.」と「FLOODS」を見ると、それでは川の底に溜まっているものがいつか打ち上げられて、世界の全てを埋め尽くすような洪水がやってくるのかもしれない。石田法嗣の「分かった」と染谷将太の不敵な顔。絆創膏を見た警察官。自己犠牲と共に、いよいよやって来る何かを待ち望んでいる。余談、『FLOODS』という長編を作るなんていう話を見たけど、これが『寝ても覚めても』のひとつの源流なのかと思わさせるところがあった。
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