ただのすず

小さいおうちのただのすずのレビュー・感想・評価

小さいおうち(2013年製作の映画)
2.6
昭和初期から戦中、赤い屋根のおうちに女中として仕えた女性の話。小説の映画化。
私が学校で教えてもらった歴史と違う、それが一番の魅力だった。
私は歴史に興味がない、それは辛くて苦しい、でも人が知らなければならないものだって恩着せがましく教えられるからだと思う。
でも一般の人が惹かれるものはそうじゃない、見たいと思うのは、
モダンで赤くて可愛らしいおしゃれなおうちみたいな存在なのだと思う。
歴史はそれを残したいと思う人の意志で変えられている。
戦争が始まって世の中がぱっと明るくなったように感じたというセリフや、
中流より上の家庭には女中がつくのが当然だとか、和装洋装を着こなす女性がとにかく美しかったり、トンカツを食べたり、不倫や、同性愛、そういったものも密やかに行われていたということ。
勿論それも女中の手記だから、意思が加わっているとあるのが面白い。
映画の物語は大半を不倫に割いていたので、小説とはかけ離れたものになっているらしい、
どこにでもあるような話なので横目で見た。
闇市で美味しいトンカツを毎日食べさせてあげるといわれても、吉岡秀隆とは不倫したくないです、男装の麗人の中嶋朋子としたいです。