救済P

KITE LIBERATORの救済Pのレビュー・感想・評価

KITE LIBERATOR(2008年製作の映画)
2.9
『A KITE』の続編。性描写は削られ、一般向け作品となったが、ヌードおよび乳首の描写を含む。

ドジでうぶな女子高生にも関わらず裏では「死の天使」として殺し屋家業を引き受ける主人公の話で、前作主人公はほとんど登場しない。

全体的に何をしたかったのかがよくわからない映画。いちおう前作から地続きの世界なので、砂羽から本作主人公への『継承』の文脈を武器と境遇に載せており、一応「続編」という体は保っているが、宇宙空間描写や、「死の天使」であることを強調した「天使の羽」の描写が多くなり全体的にSFチックになった世界観は『A KITE』に求められているものとは違うように感じた。
シナリオについても、前作の因果応報的なテーマから単純に不運なものへと様変わりし、薄味になった。
戦闘描写を含む作画も前作のほうが良かったように思う。今作は美麗な3DCGを採用しているが、宇宙ステーションなどの無機物に用いられており、それが迫力を増すことに貢献しているかと問われると微妙だった。

なんといっても終わり方が急すぎる。やっと『テーマ』を描く下地ができあがったというところでエンドロールに移るので何事かと思った。

ガンアクションのアニメ映画が観たい人にとってはおもしろいかもしれないが、前作からの『A KITE』ファンにとっては物足りない出来ではないだろうか。
救済P

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