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セインツ -約束の果て-のOASISのレビュー・感想・評価

セインツ -約束の果て-(2013年製作の映画)
2.6
1970年代のテキサスで、強盗を繰り返す恋人達が彼女の妊娠を機に足を洗おうと決意するが、最後の仕事でミスを犯し離ればなれになってしまうという話。

ルーニー・マーラとケイシー・アフレック共演のドラマ。
「俺たちに明日はない」のボニー&クライドのその後を描いた、みたいな評価を目にしたが、どちらかと言えばテレンス・マリックの「地獄の逃避行」に近い話だと思われる。
雲の切れ間から差し込むまだら模様の光や、夕暮れ時に佇む二人を包み込む強いオレンジ色の太陽等の映像表現はたぶんそれを意識したものなんだろう。

脱獄を決行し、ヒッチハイクを繰り返して彼女の元へ向かう夫と、娘を一人で育てていく決心を胸に旅立とうとする妻。
そこに妻へ密かに想いを寄せる保安官が加わって三角関係の様相を見せていく。
ルーニー・マーラが、危うさ漂う色気と同情心を煽る薄幸さで保安官を知らず知らずの内誘惑してしまうというわ心の底からのファム・ファタールっぷりを披露していてハマり役。
それに翻弄され彼女を守ろうとするベン・フォスターとの危険な関係は
羨ましくありつつも、疑念や後ろめたさが入り混じっていて複雑。

そこには100%大団円にはならないだろうという不安な空気だけが流れていてもちろん幸福な方向へは向かわないのだけど、元はと言えば強盗していること自体が問題な訳で、そこに何かしら感情移入できる様な仕掛けが無ければ自業自得という一言で終わってしまう。
その点が惜しいなと思いました。
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