このレビューはネタバレを含みます
2014/4/12@シネマQ
ここ最近好調なディズニー映画の中でも、「Let it go」というキラーチューンを得たこともあってか次々と記録を塗り替えている作品。
とにかくこの作品の魅力というのは、氷の表現である。もはたその作りこみに関しては変態の域に入っているのだけれども、単に技術におぼれているわけではない。エルサの持つ能力は触れるものを凍らせてしまう、いわば「呪い」である。氷は、そんな彼女の内面を常に描き出す。戴冠式における歪な形の氷、孤独の中に閉じこもってしまった彼女の作ったあまりにも美しすぎる氷の宮殿、そこになぜ階段があったのか。
確かに、後半脚本が錯綜している感はある。できれば、この「呪い」の解決法として、エルサの能力が物語上の障壁を打破するような価値観の反転があったら、もっと評価は上がったかもしれない。
余談だが、やはりこの映画はただでさえ画面が寒々しくなりそうなところなので、雪だるまのオラフの存在は重要である。ムードメーカーであり、かつ「雪」でありながらユーモアを持つという双方の価値観を併せ持った存在というのは本当に貴重である。