シネラー

るろうに剣心 伝説の最期編のシネラーのレビュー・感想・評価

2.5
"京都編"の後編であり、
剣心と志士雄真実の決着を描いた
作品となっている。
個人的には、シリーズの中では一番
大雑把に纏められた作品だと思う。

最初に断っておくが、
原作ありの映像化作品で
オリジナル展開をする事は、
個人的にむしろ楽しみな要素ではある。
だがしかし、
本作に関してはそのオリジナル部分が
余計と思えてならなかった。
伊藤博文の登場は必要性がなく、
最後の敬礼は茶番でしかなかった。
剣心が政府に手配されて処刑されそう
になる下りも、一般市民に剣心の事が
周知され過ぎて、事件が解決しても
問題が尾を引くように思えてならない。
又、前作で重傷を負った翁は、
原作ではしっかり存命していくが、
本作では亡くなる展開となっている。
いま一つ、不要な相違点だと感じられた。
更に言えば、東京と京都には
"どこでもドア"があるのだろうかと
思わんばかりに、登場人物達の往来が
描かれていて違和感を拭えなかった。
そして、志士雄の私兵集団である
"十本刀"の扱いだ。
原作のように一人ずつ相手取るのは、
流石に間延びしてしまうので無理な事は
承知だが、それでも扱いは酷いと思う。

嫌な点を綴り過ぎてしまったが、
藤原竜也が演じる志士雄真実は見事な
熱演をされており、
狂気染みた彼の笑いは流石だった。
原作では直ぐに沈んだ"煉獄"を
最終決戦の舞台にしたのは良い改変
だとも思った。
剣心、佐之助、斎藤、蒼紫の4人と
対峙しながらも優位に立つ志士雄との
最終決戦は、原作の奇抜な必殺技も巧く
アレンジしていて良かった。

アクションシーンやキャストの
はまり具合は、高いクオリティと熱演
だったと思うが、
それ以外の物語に杜撰な印象が強く残る
完結編だったと思う。
又、原作を知っているかいないかで、
評価が割れる内容だと思った。
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