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るろうに剣心 京都大火編のシネラーのレビュー・感想・評価

るろうに剣心 京都大火編(2014年製作の映画)
3.5
原作でも人気エピソードの"京都編"
を実写映画化した作品であり、
公開当時に劇場で鑑賞済み。
再鑑賞しての率直な感想としては、
やっぱり次回作の"伝説の最期編"よりも
前編にあたる本作が好きだと思った。

人斬り抜刀斎の後継者であり、
明治政府に恨みを募らせる
志士雄真実(藤原竜也)と剣心の戦いを
描いた本作だが、
冒頭の志士雄と斎藤が対峙する場面から
見応え抜群であり、
下手をすればコスプレ感が満載となる
志士雄を見事に強大な敵として
描いている事には、藤原竜也の熱演と
スタッフの魅せ方の巧さが感じられた。
物語自体も原作通りではあるが、
史実の事柄も絡んでいて面白い。
アクションに関しては、
多人数戦での格好良さも勿論だが、
個と個の戦いも緊張感があって
良かったと思う。
志士雄の側近である
瀬田宗次郎(神木隆之介)と剣心の対決、
御庭番衆同士の
四乃森蒼紫(伊勢谷友介)と翁(田中泯)の
対決は本作の好きな場面だ。

只、京都大火が決行される際に、
大量の志士雄の影武者が登場するのは
ギャグ過ぎると思えた。
又、ヒロインである薫(武井咲)が、
散々の忠告や心配をされたのにも
関わらず、結果的に敵に連れ去られる
のは、何とも言えない部分だった。
更に、本作から登場する蒼紫だが、
志士雄の件とは完全に別件で剣心を狙う
キャラクターに改変されている為、
物語の本筋としての疎外感は否めない。
蒼紫は原作通りに志士雄と合流するか、
前作の段階で登場させるべきだったと思う。

進化したアクションや発展した物語
は申し分なく、良い続編だと思う。
前後編の前編である為に未完結な映画
だが、見所がそれでも豊富なので、
前作が好きであれば大いに楽しめる作品
だと言えるだろう。
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