rage30

LIFE!のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

LIFE!(2013年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

写真家を探す為にグリーンランドへ行く男の話。

主人公は人生で誇れる事が何もない、空っぽな男。
そんな男がグリーンランドへ冒険に飛び出し、人生の意義を見つけるという、話自体はシンプルで分かり易い話になっています。
雑誌社の狭いオフィスと、だだっ広いグリーンランドの対比が効いていて、あの大自然を見るだけでもカタルシスを感じるものがありました。

そして、本作の特徴的な演出が主人公の妄想癖。
主人公のする妄想が映像で再現される件は序盤から楽しいのですが、段々と現実と妄想の境目がなくなっていくところも面白かったですね。
特にクリステン・ウィグが「スペイス・オディティ」を弾き語りするシーンは、妄想が逃避ではなく、主人公を鼓舞しているのが良いし、それと呼応した歌詞も素晴らしい。
間違いなく、本作の白眉と言える、ファンタスティックでエモーショナルなシーンだったと思います。

その他、「カメラ越しではなく、一瞬を大切に味わう」という台詞も良かったし、25番目のフィルムの正体も気が利いている。
ただ、今見ると、ちょっと気になったのは、「勇敢な事に挑戦して、女性もゲットする」という構図に、古臭いマッチョイズムを感じなくもないかなと。
お見合いサイトのせいで、女性にモテる為に冒険してる様に見えてしまうのは、ノイズに感じる部分ではありました。
原作の映画化は本作が2回目という事で、もしも3回目があるのなら、今度は女性を主人公にしても面白いかもしれません。
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