TAK44マグナム

ゾンビ自衛隊のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ゾンビ自衛隊(2005年製作の映画)
3.3
「さぁ、またまた無理やりに始まっちゃいました!「今夜もあなたとゾンビンビン!」
MCのゾン☆ビバ夫です!
この番組は、古今東西、多種多様なゾンビ映画を、三度の飯よりゾンビが好き!とか言っちゃってる引き篭もりな方、女房を質に入れてもゾンビを観る!といったおめでたいゾンビLOVEな方から、わたしはゾンビと歩いた!などと奇特な妄想にとり憑かれてる方まで、10人のゾンビファンに鑑賞してもらい、最後まで観ることができるのか?を検証する崇高にして高尚な実験番組です!
さてさて、今夜選ばれたゾンビ映画はコレ!
遂にやってきました日本代表!「ゾンビ自衛隊」DEATH!
富士の樹海にUFOが墜落するとゾンビが蘇っちゃいましてね、演習中の自衛隊員やグラビアアイドル、そしてヤクザを巻き込んで右往左往するっていう、ヤバそうな香ばしさしか匂ってこないような映画ですね!
それでは早速観てもらいましょう!Ready・・・・・Go!!」

〜2分後〜

「おおっと!始まっていきなり脱落者が!
やっぱり、ゾンビ映画かと思ったら、「アメリカは第2次世界大戦で非戦闘員を大量虐殺した!そんなアメリカに正義などない!日本は日本人の手で守る!」などといった、至極まっとうだけども全く空気を読めてないモノローグを延々聞かされるのは辛かったか!?
・・・と言ってる間に、更に3人が脱落です!
たしかにこのUFOはショボすぎます!!レトロにするにも程があるデザインも、もう少しどうにかならなかったのか?!」

〜70分後〜

「ああっと!ここにきて残っていた2人のうち1人がついにギブアップです!ちょっとインタビューしてみましょう!
え〜と、あなたは・・・・・ああ、まっどまっくすこーじさんですね!でも、「マッドマックス」にはゾンビ出てきませんけども?」


「いやいや、「ゾンビマックス!」という傑作がありますよ!」

「・・・・・そ、そうですか!ところで、ここまできて何故にギブアップということに?」

「う〜ん、そうですね〜、やはり憂国の志士同士で戦う展開はどうなのかな?と疑問に思いましてね。それはやってはだめだろう!と国の行く末を憂いる者として熱く思った次第です!」

「ははあ、なるほど・・・しかし、憂国の志士って、それだけを聞いたらどこがゾンビ映画なんだ?と誰もが首を傾げそうですよねぇ・・・
まっどまっくすこーじさん、ありがとうございました。ここで無事に脱落です!」

〜5分後〜

「あああ〜っと!!いま、映画が終わりました!試合終了です!
何かの間違いではないでしょうか?なんと!ただ1人、完走した強者がいらっしゃいます!
え〜と、お名前は何でしたっけ?」

「あ、初めまして、TAK44マグナムといいます。頭のおかしい映画が大好物の昭和世代です、よろしく」

「頭のおかしい映画・・・・・なるほど、それでフル鑑賞ですか!
それではインタビューお願いします〜!
まずは優勝おめでとうございます!」

「ありがとうございます」

「まさかこの映画を最後まで鑑賞されるとはスタッフ一同思ってもみなかった事態なのですが、よく言われる「大根演技がヤバいレベル」という問題についてはどう思われました?」

「そうですね、まあたしかに褒められた演技ではないかもしれませんが、プロレスラーの方や映画ライターの方を起用しているのだから、ある程度は仕方ないんじゃないですか?もし上手かったら儲けものぐらいの気持ちで出演してもらっているのでしょう。
仲間内で和気あいあいと作っている感じがして微笑ましいです。
ノーマン・イングランドさんもしれっと出ていましたね。
それから、「仮面ライダーアギト」で強烈な印象を残した山崎潤さんが、オカルトオタクでアイドルオタクの自衛官という役を楽しそうに演じていらっしゃって、こちらまで清々しい気分にさせてもらいました。そんな山崎さんを股に挟んで誘惑するアイドル役のみひろも良かったです。人間のクズで、最後にはブロッケン伯爵になるという素敵すぎる役で、見事にハマってましたよ!
ちなみに、山崎さんの迷彩服から何故か出てくるCDは、実際にみひろが出した「ヒマワリ」でした。芸コマですね」

「ふむふむ・・・・・他にも、「チープすぎる」だの「ディテールが変すぎる」といった意見が寄せられていますが?」

「それは予算が無さすぎますしね。安っぽいのは仕方ないのでは? 
それよりも、トム・サヴィーニに果敢に挑戦したようなゴア描写はかなりよく出来ていましたし、オバサンゾンビが口を開けたら向こう側が見えた!みたいな、そういった愉快な小技を効かせている部分をもっと評価すべきだと思いましたね。
あと、ヘアメイクゾンビがクシで髪をとかしながら襲ってきたりするのは「アイアムアヒーロー」っぽいし、結果的にすごく先をいっているんですよ。奇跡的に」

「・・・いま、さりげなく奇跡って言っちゃいましたね(汗)
う〜ん、それにしても駄菓子屋もびっくりなぐらい、安さ大爆発すぎやしませんか?」

「確かに、ペンションの床が養生されているのが丸わかりだったりするのはテンション下がりますけれど、そのぐらい同じ日本人として見てみぬふりしてあげましょうよ(笑)
金はなくとも愛はある・・・というか!
いくら大金を積んでもゾンビへの愛がなければ意味がないですし。
ただ、演習中なのに拳銃1丁の装備しかない自衛隊員ってのはどうなんだろうと。自動小銃を持たせてやれよ、と。
そこは気になりましたね。イマドキのサバゲー女子でも居ないような軽装備で、一体なんの演習なんだよって(汗)」

「自衛隊と言えば、「マジかよ!そっち方面の話だったのかよ」
・・・と、言われかねないサイバー自衛官はどうでした?
完全にマンガでしたが?」

「いやいや、最初からマンガ映画でしょ、これは(苦笑)
とりあえず、スイッチが奥歯ってのが、さすがサイボーグだと嬉しくなりました。やっぱりオマージュって良いですよね。きっと、石ノ森章太郎先生も天国でゲラゲラ笑いながら観ていると思います」

「テキトーの極みのようなラストについては?」

「少年ジャンプならいつもの事じゃないですか。これを否定するなら「男坂」とか「サイレントナイト翔」はどうしたらいいんですか。
車田正美先生が怒髪天をつきますよ!」

「い、いや、それは困ります・・・(大汗)
とにかく、「ゾンビ自衛隊」クリアーおめでとうございます!
TAK44マグナムさんには優勝賞品としてゾンビ映画の秘蔵VHSソフト100本セットが贈られます!」

「ブ、VHSって!置くとこないよ!」

「絶対に持って帰ってもらいます〜!
それでは、皆さん、次回があれば又お会いしましょう〜!
See you next zombie〜!!」



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