ちゃん

ラストエンペラーのちゃんのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.2
激動の時代のど真ん中付近を生きてきた人。利用されているとわかっていたかもしれない。それでも、自分が皇帝になり得る血統を持っていることは事実だし、期待を寄せてくる人も中にはいたのかもしれない。王冠が欲しかっただけかもしれない。何をしたかったのか(それすら明確にあったのか)はわかりようがないけど、不自由と葛藤のなかで、少ない選択肢のなかから道を選んできたのかな。

序盤は華やかな紫禁城を「こんな時代もあったのか」と眺めていたのに、途中「こんなに生活が変わったのか」と驚いた。50年そこらで何が正義なのかも変わっていく。その歴史の続きに今があって、その今もたぶん大きく変わって未来になっていくんだなぁ。諸行無常。

紫禁城の赤く高い壁とか独房の覗き穴とか、風景の切り取り方が印象的。
ラストシーンは現実と空想だったり、過去と現在だったりが混じり合うような、なんとも不思議な描き方😌
ちゃん

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