momocos

ウルフ・オブ・ウォールストリートのmomocosのレビュー・感想・評価

4.0
ディカプリオの最新作が封切られる時、私はいつも「どこでレオが逆ギレするか」を楽しみに鑑賞している。「アビエイター」あたりから顕著な、額に血管を浮かべ、ヨダレと涙と鼻水を飛ばしながら激昂する、お家芸と化した逆ギレにいつでもうっとりするのです(馬鹿にしていると言われそうですが私は彼の大ファンです)。でも私は、ディカプリオ以外の誰もがポカンとしている中で「なんでわかってくれないんだよォォ」と独りキレている、誰ともわかりあえない、どんなに感情を爆発させても誰のことも変えられない、悲しみのにじんだキレ芸が好き。その意味では「華麗なるギャツビー」を超えられませんでした。と同時に、新人時代のレオに影響を与える先輩役のマコノヒーは、たった数分出てきただけで、明らかに「ヤバい」感じがする。それにひきかえ、どんなにアブノーマルなセックスをしてレモンをキメていても、レオは狂気に振れない。その人間臭さが滑稽でもあるし、ある瞬間はまっとうなカリスマ性として社員を惹きつける説得力になるのだよなとも再確認しました。とにかく熱量を感じる大作。そしてスコセッシはなんて若作りじいちゃんだ!と思うほど選曲センスやテンポが若々しい。下品をこんなに楽しいエンタメにしてくれるなんて、すてきなタッグです。ああ、レオに悲願のオスカーを獲ってほしい。
momocos

momocos