Kana

ウルフ・オブ・ウォールストリートのKanaのレビュー・感想・評価

2.0
ウォール街で成り上がった男の天国と地獄の半生を、おもしろおかしく描いた実話。

何年かに一度、こうゆう映画が話題になる。
軽快な音楽、主人公の早回しのストーリーテラー、重なるショットグラス、宙を舞う札束、マグショットの撮影風景…。
最近見たのはモリーズゲーム。
話としても映画としても、あちらの方が学ぶところがあったり共感できたり、全然面白かったです。
こちらは完全にコメディで、下品で卑猥でプライドの欠片もないような悲惨な話だから比べようもないですが、いつも思うのはみんな同じ展開ということ。

バブルのように膨らんで膨らんで弾けてぺしゃんこになる。
それでも不死鳥のように何度でも復活する。
…というよりも、失敗から立ち直れなかった人は、そのままどこの誰とも知れず消えていくんでしょうね。
落し穴に落ちない人は堅実な実業家として名を残し、トムハンクスが主演の伝記映画になる。
お酒と煙草と麻薬とギャンブルと女遊び、これらは悪の象徴みたいに扱われるけど、最も人を狂わせるのはお金。
お金は目的じゃなく、手段に過ぎないはずなのに、今の世の中お金に対する信頼が高まりすぎて、人を麻痺させている。

お金に狂って堕落していく人を見るのも反面教師になりますが、もっと別の切り口のお金との付き合い方の話も見てみたいものです。
Kana

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