『髪の話はするな』
映画賞請負人、デヴィッド・O・ラッセル監督による2013年のクライム・コメディ作品。
豪華キャストによるコンゲーム(詐欺や騙し合いによる群像劇)で、「オーシャンズ11」のようなコメディ要素が強い作品でした。
まずこのポスタービジュアルの豪華さですよね。クリスチャン・ベイルにブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムスにジェニファー・ローレンス、ジェレミー・レナーにロバート・デ・ニーロまで。この時点で勝ったも同然という感じですが。
■ 映画について
本作は実際に起きた『アブスキャム事件』を元にした映画。日本語の情報が少ないマイナーな事件のようなので、英語情報をあたってみました。
□ アブスキャム事件 https://en.wikipedia.org/wiki/Abscam
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・1978年~1982年まで行われたFBIによるおとり捜査
・大物詐欺師のメル・ワインバーグが逮捕され有罪判決を受けるが、収監を避けるためにFBIと司法取引を行う
・FBIは彼をおとり捜査に協力させ、不正取引をしていた実業家の逮捕を目指すが、その過程で大物政治家とマフィアの汚職を知って捜査対象を拡大していく・・というもの
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映画の冒頭に表示されるのは『この映画には事実を含んでいます』という表現。最近はかなり脚色しているのに『事実に基づいている』とする映画も多いので、この表現には誠実さを感じました。
■ 感想
まず最初の感想は、『怖っ!😨』 でした。なにが怖いって、役作りしたクリスチャン・ベイルです😅
本作で詐欺師のワインバーグを演じるにあたり20Kg増量してビールっ腹に、髪の毛を抜いて1-9分けのバーコードハゲにした徹底ぶり。情報によるとワインバーグ本人の家に泊まり込んで役作りをしたそうで、相変わらずの徹底ぶりですね。
あと、謎だったのは、日米での評価の違い。IMDBやロッテントマトなどでのアメリカの評価はとても高いにもかかわらず、映画COMやFilmarksなど日本での評価は低くて、珍しい作品だなと思っていました(逆は多いですけどね)
そして、結果的には、日本での評価に近い感じで、そこまで面白くはなかったかなぁと。
どこが面白くなかったのかの言語化が難しいのですが、笑いのツボが違うんですかね?笑えるシーンも少なく、なんでこんなビール腹のおじさんがモテモテなんやろ、って思いながら、淡々と観てしまった感じです。
(冒頭5分のインパクトを最後まで超えられなかった感😅)
事実ベースだからか、抑揚はあまりなくて、どうせならタランティーノ監督レベルで歴史改変してくれたほうが面白かったかも。。
アカデミー10部門ノミネート作品ってことですが、美術賞や衣装デザイン賞はわかるものの、作品賞にもノミネートされていたのはちょっとう~んって感じで、「スティング」ばりの最後のどんでん返しも弱く、伝わりにくかった印象です。
■ 余談
□ ”ハッスル” について
タイトルに含まれる”ハッスル”という言葉。
今まで張り切って頑張る、ぐらいの意味で使っていましたが、アメリカではゴリ押し、詐欺、乱暴、転じて売春を匂わせる意味でも使われるとても汚い言葉らしく、気をつけよーと思いました。
□ エイミー・アダムスがノーブラやん問題
多分多くの人が気になるエイミー・アダムスの衣装。単なるおバカキャラなのかと思っていたら、町山さんの解説では、あれは当時のフェミニズム運動の一環で、女性を縛るものの象徴としてブラジャーを燃やす活動があったとのこと。
最近、町山さんの解説には何度か騙されてる(というか、表現がオーバーすぎる)ので、ほんまかいなーと思ってちょっと調べてみたら、本当でした🙃
参考:
ローレンス・シルバーマン(2) ー ブラジャーよさらば !ー|庵忠 茂作(あんちゅう もさく)
https://note.com/gashin_syoutan/n/n3fee30f09577
ということで、話の本筋以外のところばかりが気になった映画でした。
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2023年 Mark!した映画:313本
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