りょうこ

her/世界でひとつの彼女のりょうこのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.0
人工知能が人工知能ではなくて人そのもの。
近未来なのかな、
ケータイも小ぶりで可愛い。
多彩なのに疲労感の無いオフィス、
テオドアの住まいには、
生活感がなくてさっぱりしているのにコーヒーが淹れられたケメックスには暮らしと温かさが感じられる。
そんなテオドアの生活環境は
驚きとデザイン性があって高層ビル群の都会風景も綺麗だった。

AIと、こんなに言葉が交わせるなら
恋愛感情や親友という気持ちは抱くだろうな。
恋愛感情は、ただ好きって幼稚なものでは無い、本音と物理的なもの。
身体がなくても矛盾しないで共存していた。
世の中大半は彼同様と思うけど
テオドアの様に、感情を先ず出さないのは人としては当然な事だと思う。
相手がどう思うか考えるから。
人工知能相手なら、実際とは違ってもどう思われるか咄嗟に気にしなくて良い分
"本音で話せる"のかな…。

エイミー・アダムスに最後まで気づかなかった。
今まではただの優等生子ちゃんと思っていたけれど、結婚生活が破綻する役どころも出来るなんて開眼。
おダサなホアキンだったけど、
コーラルの様なオレンジやピンクやイエローのシャツが、
上手く感情を表現出来ない彼に妙に似合っていて愛おしい存在だった。

結末は少し社会派の様な、
シリアスでラブストーリーとしては切ないものだったけれど、
恋に落ちてクレイジーになれて、
誰かから想われる悦びを思い出す
優しい後味だった。