りょうこ

リリーのすべてのりょうこのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
3.0
とても美しい。
デンマーク期のグレーがかった色彩もパリ時代もお洋服も。

理解が全くない時代に、
美しいリリーが、
本当姿である女性になろうと前に進む姿はもちろん素晴らしい。

ゲルダはどうだったのだろうか。
「アイナーは自分に似てる」と言っていた彼女、
リリーをモデルにして自己の才能を開花させて名声を得た彼女、
そして「アイナーに会いたい」という彼女。
アリシア・ヴィキャンデルの演技がとても良かったから
パリ時代からは、ゲルダにグンっと寄って、史実に沿わなくていいから
監督や脚本家の解釈を加えても良かったのではないかと思う。
添い遂げた愛は夫婦愛だから?
リリーという美しい女性に会いたかったから?
愛は色々な形がある、
でも明確に描くことは避けていた。

全てが美しい、そして淡く霧の中



「わたしはロランス」では男という夫と結婚したのに夫が女になるなんて理解できない、耐えられないと言っていた。
手術までサポートして、どんなに愛していても私はそれが現実だと思う。
時代も芸術性価値観も暮らしも違う二組を引き合いに出すのは、ナンセンスかもしれないけど。