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her/世界でひとつの彼女のnodriguezのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.5
手紙の代筆ライターを務める主人公セオドアは、妻と別れたことによる虚しさを感じながら暮らしていましたが、ある日、最新の人工知能型OS・サマンサを取り入れます。人間と同様にユーモアに溢れ、優しく、時に人間以上に情緒豊かなサマンサに、セオドアは急速に惹かれていきます。
そう遠くない未來の恋愛事情を観ているようでした。魅力的かつ情緒的なサマンサの言葉はリアルなものなのか、単なるプログラムに過ぎないのか、そして、AIとの恋愛は人間との恋愛と同等のものなのか。非常に悩ましい問いが常に頭をよぎります。生身の人間との関係性希薄や効率化ばかりを追求した関係など、物語の中に混在する問題は、ただのSF恋愛映画というくくりだけでは収まらないような気がしました。
また、OSのサマンサ役ということで、声のみの出演であるにも関わらず、物語を魅力的なものにしているスカヨハの演技は文句なしで素晴らしいです。
ただ、惜しむべらくは、AIとの恋愛というテーマはよかったのですが、主人公の周りの人間関係を丁寧に描いているせいか、微妙に間延びしているように感じました。
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