ふう

フィービー・イン・ワンダーランドのふうのレビュー・感想・評価

5.0
(どう書けばいいかわからないけれど、とても、とても素晴らしかったのをなんとか伝えたい)


この映画は、このジャケットや「"夢見る女の子"だけが感じるアリス・イン・ワンダーランド」という煽り文句にピンとこない人の方が見るべきじゃないか、と思うような作品です。

私も「エルたんの小さい頃の可愛いアリスを見て癒されたい🤤」
みたいな軽い気持ちで見て、すごくすごく打ちのめされました。


この世界は辛すぎるから
せめて私のワンダーランドで 自由に 生きたい

と願う9歳の女の子が主人公。
学校にも馴染めず、社会の"ルール"に適応できず、両親にも自分の本当の気持ちをわかってもらえず、空想の世界だけが心の拠り所。
でも、校内の演劇会『不思議の国のアリス』では自分が自分らしくいられる気がする。けれど、アリスの役のプレッシャーや周りとの軋轢で現実と空想の世界がごちゃごちゃになっていく…

というのが、この映画のおはなし。
つらい。
本当に息をすることも忘れてしまうほど苦しい作品。
そしてフィービーを演ずるエル・ファニングがあまりに上手で不安になるくらい圧倒的でした。やっぱり彼女は天才なんだなあ。

上手く生きていけないことに苦しむフィービーと、自分のせいではと責める母親と、フィービーに演技の才能を見いだす教師。その3人を軸に物語は進んでいきます。
きっと見る人によって、フィービーに感情移入したり、子育てする母親の苦悩に寄り添ったり、教育の視点で見たり、と見えかたが違ってくる作品だとも思います。

私は、小さい頃の自分を思い出しました。

小学生の頃、学校から帰る度に
「なんで私はともだちと楽しくおしゃべりできないんだろう」とトイレで1人反省会をしていました。
友だちはいたし、帰り道もおしゃべりしながら帰っていたのに、別れると、自分の失言や疲れや"楽しくできなかった"罪悪感でいっぱいになるのです。
それで、空想の世界で「ここが1番落ち着くー」と1人で遊ぶのが大好きでした。

(こういうのって皆さん経験するのでしょうか?人に話したことがないのでよくわかりません🤔)

フィービーはこれの比じゃないくらいの苦悩を背負っているけれど、似ているところは、自分にもあったなあ、と。
忘れてしまっていたけれど、子どもも子どもなりに生きづらさを感じるのですよね。

ガールズ・ムービーだと思ってる方、
アリスに興味ないから…という方、
そもそもこんな作品知らなかった!という方
もうたーーくさんの人に見てほしい!
なぜかSFファンタジーとされてるみたいだけど、
これは、壮絶な、少女の、人生の、物語だよ‼️

***

更に関係ないのだけれど、
今自分の困った現象に「時々夢と現実の区別がつかなくなる」「夢の中の問題を引きずってしまう」ということがあります。
(この間は夢で"引き出しにおばあちゃんをしまったままにしてしまった"ということを1日引きずったり👵)
この現象はなぜ発生したのかどうすればいいのかわからないまま1年がたちました🤔
なんか上手く付き合っていくしかないようだけど、上手く付き合っていくってなんだよ!って思ったり。
本作と重ね合わせつつ、心の問題って不思議でいっぱいだなあー、と改めて思いました。まる。
ふう

ふう