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インターンシップのtoshiのレビュー・感想・評価

インターンシップ(2013年製作の映画)
4.2
私はIT企業に勤めております。IT等という言葉がまだ存在しない頃、特にコンピュータなんて興味もなく、ただ上京してネクタイをして仕事をしたかっただけで今の会社に就職致しました。そして自身でも経験したシステムエンジニア(SE)というお仕事が大嫌いでございますw 間違いは許されず間違ったらその間違いの設定通りしか動かない、心が通わないコンピュータ。そんな奴らを相手に毎日業務遂行する事が嫌で仕方がありませんでした。しかも日中は設計、そして人が眠りコンピュータを触らない夜中に設定作業と、馬車馬のように働かさせる日々にもウンザリでございました。因みに現在は部下のマネージメントが主業務となっており、SE業務からはおさらばしております。

前置きが長くなりました。本作はそんなIT企業で巨大な存在であるGoogle社が舞台となります。失業したITに完全無知なビリーとニックがGoogle社のインターンシップに参加し、勝利を勝ち取りGoogle社員になれるのか・・・といった内容でございます。

本作昨年末CSにて録画していたのですが、前記の通りITというかSEというお仕事が嫌いな事もあり鑑賞を避けておりました。が、最近フィルマークスで本作のレビューを目にする事が多く、気になり本日鑑賞に至りました。
避けていたことを後悔致しました。凄く爽快で楽しい作品でございました。

因みにIT用語が沢山出てきます。昔取った何とかではありませんが、そこはやはり理解できます。中でも印象的だったのがエディタのViです。エディタとはデータ等の編集や自動化を行うための実行ファイルを作成する際使用するソフトになります。私はそのエディタをテキストベースで楽に使用できるものを選んで実行ファイルを作っていましたが、ある客先ではViエディタしか使用できず・・・。Viエディタとはテキストベースで書きこむことは出来ず、専用のコマンド群を使用し書き込んだり編集等を行うので、先ず専用コマンド群を覚えないと目的の作業に取り掛かる事が出来ません。そんなこんなで目的の作業に取り掛かるまで焦りと苦労した過去を思い出してしまいましたw

それでもビリーとニックのITに無知ではあるが、営業マンとして積んだ経験を活かし、ITを知り尽くしていると言いたげな若者相手に諦めず立ち向かう姿に感動致しました。ITの知識が無くても自分たちのこれまでの経験が、周りの若者の心を徐々につかんでいく内容にどんどん引き込まれます。

業種がITがあるが為に無知のままではいられませんから、ビリーもニックも色んな機能やツール等をマスターしていきますが、相手はコンピュータではなくあくまでも「人」への対応を忘れてはいません。

Google社を舞台にしながらも、自分たちの経験や能力を活かして「人」に対して何をすべきかを常に考えるべき・・・という事を教えてくれる内容になっております。私もSEであった若い頃、本作を鑑賞していたらコンピュータの先に居る「人」を見る事が出来てSEというお仕事を嫌いにならなかったかもしれません。

これからIT企業でSEとして活躍する方は是非ご鑑賞いただきたいと思うと共に、とりあえずViエディタはマスターしておいた方が良いいですよw

素晴らしい作品でございました。
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