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インターステラーのtkのネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

劇場だったか、ソフトで観たか。
なんか本棚のシーンが感動的だったなという記憶で結末はふんわりあやふや。
でもいろんな場面で、度々挙げられるタイトル。
IMAX復活上映ということで再鑑賞。
初回も思ったけど、やっぱり不思議な作品だ。
時間を扱うノーラン印一直線だけど、かなり異色な気がする。
気候変動や飢饉で人が住めなくなりつつある世界。
科学や文化って永遠に続く気がするけど、ふと油断すると失ってしまう繊細なもの。
学校の教師ですら、月面着陸をプロパガンダ扱いしたり、間違った歴史に過度に反応したり。
この世界のアメリカは宗教とか、信仰の対象からぐらついている感じがある。
教育って何を信じるかだから、そこが不安定だと危うい未来しか見えない。
そんなディストピアの片鱗を見せながら、一人の父親が人類の存亡を賭けたミッションへ巻き込まれてゆく様に引き込まれる。
さすがはノーラン。
映像的には「2001年宇宙の旅」をしっかりやりながら、ウラシマ効果やブラックホールの描写など、未知の領域も開拓。
マットが出たら「オデッセイ」になるし、ヒュー・マンって名前、遊びすぎだろw
最高に人間味溢れてて良かった。
HALのような、方形AIくんも不気味でカワイく、合理的な動きでSF面も抜かりがない。
科学への信仰が薄れゆく世界で、科学力を武器に局面を切り拓く知性や、愛という未知なる力を信じようとするクルーの言葉が秀逸で素晴らしい。
STAY。
初めは己を引き止めようとしながら、娘との絆でメッセージを遺す父の愛。
過去を変えるためではない。
そう覚悟を決めたとき、「将来への繋ぎでいいじゃないか」と心情が変化する様子に心打たれる。
宇宙には光より速いスピードはないらしいが、「重力は時を超える」という表現に惹かれる。
過去に戻ることもできなくはない(観測はできる)けど、触れることはできないって聞いた覚えがあって、メッセージを遺すっていう加減も丁度いい。
そんな父の想いに応えるかのように、娘も諦めない。
ユリイカ!!
ジェシカ・チャスティンがかなり印象深くて良かった。
終盤のコロニーはガンダムでお馴染みのあれだし、ラストの旅立ちはシュタインズゲートを思わせる、震える展開。
ひとり孤独に夕暮れのアン・ハサウェイ。
切なくて美しい。
そんな彼女と主人公の勇気と希望に溢れるエンディング。
今回も、ハンス・ジマーの劇伴が冴える。
監督の作品郡の例に漏れず、科学的な考証と感情の盛り上がりを上手く結びつけるバランス感覚が尋常ではないと改めて感服するばかり。
TENETに近いテーマを感じた。
多くの映画好きが話題にあげるのも納得の傑作。
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