このレビューはネタバレを含みます
レビューを書くときに、観れば分かると書くのは思考放棄な感じがして避けているんだけど、本作『インターステラー』のことをちゃんと伝えたいと思ったら、この言葉がどうにもピッタリだった。
「観れば分かる」
ストーリーを端的に説明すると、異常気象により植物は枯れ、年々食糧危機に陥っていく地球が舞台で、移住可能な惑星を求めて命がけの宇宙探索ミッションに出る宇宙飛行士の話。
それだけの話なら他にもレビューの書きようがあるけど、なんかもう未来の話すぎて、新感覚映画だった。
ワケ分からんのだけど、私の目には、分からんなりに絶妙にリアルな世界が描かれている。
現実にあるかどうかは知らんけど、正しいっぽく聞こえる科学の話と、宇宙に行ってからの映像にただただ圧倒され、ワクワクが止まらない。
2時間49分の大作なので、長いと言えば長いけど、冷静に考えてみてほしい。
1日あれば8回は観れる。
1週間あれば56回も観るチャンスがある。
1ヶ月あればなんと1680回だ。
1680分の1回を消費して仮に後悔したところで、膝から崩れ落ちるようなショックは受けますまい。
そして、これから観ようとしてる人に「長くね?」と躊躇させる本作の長さには、作りの丁寧さ以外にも意味があると私は思う。
本作が、金曜ロードショーのような2時間枠(CM考えたら正味90分くらい)で収まる映画だったら、親娘が離れていた時間があっという間に感じてしまうかもしれない。
映画の中で、親娘の再会を果たすまでに約90年くらいの時間が流れている。
90年。
32850日。
788400時間。
この長さを少しでも感じるために、観る側も「長いなぁ」と感じるくらいに長く作って初めて、あのラストがあるんじゃなかろうか。
あと、とにかく作りが優等生。
出したおもちゃは片付けないといけないように、置いてった伏線は回収しないといけないわけですが、まぁキレイに回収していく。
実際、こういう未来が待ってるかどうかは知らんけど、
「起こり得ることは起こる」
SFは未来なんだなと思えた。
本作を観て生き方が変わったりすることはないけど、未来がちょっと楽しみになった。