ブタブタ

グランド・ブダペスト・ホテルのブタブタのレビュー・感想・評価

4.5
やっぱり「美術」「デザイン」「衣装」でしょうね。
非現実的な迄の鮮やかな色の洪水の如き世界。
それも決して派手派手にならず中間色で纏められた非常にシックで落ち着いた風合い。
雪の白さにも暖かみを感じます。

正直ストーリーはよく覚えてません。
映画そのものがウェス・アンダーソンによる美術展で一冊の画集の様な。
さらにゲームの中の異世界を旅してる様なそんな作品でした。

グスタヴが刑務所を脱獄し、ホテル組合?のツテを頼り助けを求め電話をする所から始まる「第4章 鍵の秘密結社」の次々とホテルとそのコンシェルジュとベルボーイが登場するシーン。
グランド・ブタペスト・ホテルのカラーが紫色なら、
エクセルシオール・パレス=茶色
シャトーリュクス=緑色
パロンツォプリッチペサ=橙色
コート・デ・キャプ=藍色
リッツ・インペリアル=紅色
とそれぞれ全て色が違っていてカラフルなホテルとそのキャラクターが矢継ぎ早に現れては次々と交代して行くコミカルかつ豪華さとその凝った意匠に惚れ惚れとしました。

全体はコメディータッチかつ軽快なテンポで進みつつドリフのコントみたいなアクションあり、そしてナイフでザクザクやったり切断された指がモロに写ったり結構残酷なシーンもありそれがブラックなギャグにもなっていて、コレは大人向けのペーソスが効いたアート&コメディーで思い切りスタイリッシュな喜劇映画なのだな~と思いました。
ブタブタ

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