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グランド・ブダペスト・ホテルのatsukiのレビュー・感想・評価

5.0
シュテファン・ツヴァイクの悲嘆をウェス・アンダーソンがいわゆる「オシャレ」に包み込んでくれた。グスタヴとゼロのグランド・ブダペスト・ホテル、その本の著者、それを愛読する少女、そして鑑賞する我々。つまり、消えた世界との最後の絆を忘れないで欲しい。感傷ではなく、精神衛生のために。疲れたら甘いものが欲しくなるように。あんな可愛くて、楽しくて、おかしい絵本みたいな世界があればいいな。そのためにもおもてなし精神を持ちたいし、できれば鍵の秘密結社を作りたい。それと列車だけは止めないで。未来永劫、線路は続くから。どこまでも。そうすれば、この物語も止まらない。
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