回想シーンでご飯3杯いける

おじいちゃんの里帰りの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

おじいちゃんの里帰り(2011年製作の映画)
3.4
トルコ生まれながら、出稼ぎで若くしてドイツに移住したおじいさんが、自身と家族のルーツとなるトルコの地を目指して旅をする映画。

車に同乗するのは家族3世代。その道中でおじいさんの半生がファンタジックな回想シーンとして語られる構成になっており、やや現実離れした映像のテイストはティム・バートンの「ビッグフィッシュ」にも通じる。回想シーンの中では、車に乗っている家族(大人)の子供時代の姿が登場するのだが、全くの別人を起用しているはずなのに、まるで各俳優の子供時代を本当に撮影したかのように雰囲気が似ているので、混乱せずに物語を追う事が出来る。

日本の家族ドラマといえば、基本的には「お父さん、お母さん、育ててくれてありがとう」的な部分に終始する場合が多いけれど、本作は血と民族という大陸的な価値観を感じさせる、正にヨーロッパらしい作品だと思う。終盤の展開がお洒落だった。